サギッタ900

 
 初めてスルガヤさんへ行った時、ぼくは「いいグライダーが欲しい」というようなことを古川さんに相談した。1983年だったと思う。ぼくは女の子を連れていたのを憶えている。古川さんは、作るのに自信があればサギッタ900、あまり作った事がなければオリンピックⅡというのがある、と言った。それまでに作ったことがあるのは、OKのEZ2000、テトラのロビン15とフィンピー15、ムサシノのスカイコアラくらいだった。ぼくはオリンピックⅡを選び、店に在庫がないので大阪から取り寄せてもらうことにした。古川さんはサギッタはいい機体なのだがと残念そうだった。
 じきにサギッタ900は市場からなくなった。設計者のリー・レナードは他界していて、その子息が設計したというキューミックがエアトロニクスから発売された。スルガヤさんでキューミックを買った時、古川さんは機首にセンスがないとかいろいろ言った。オリンピックⅡはまだ完成していなかったが、ぼくはスルガヤさんに一緒に行った女の子と結婚していた。オリンピックⅡの完成は長男が生まれてからだ。キューミックの初飛行となると、そのまた10年くらい経ってからだと思う。この機体はグラス胴で後部が重くなる。ぼくのキューミックは機首に300gのバラストを積まなければならず、全備1600gだった。赤白のカラーリングは気にいっていたが、性能はあまり良くなかった。
 オリンピックやサギッタのシリーズが復刻され再販売になった時、ぼくはサギッタ900、サギッタ600、オリンピックⅡの順番で買い集めた。
 
 
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赤白はCumic、黄色はOLYMPICⅡ。 ぼくはまだSAGGITA900を飛ばしたことがない。



以下、スルガヤ テクニカル リポート No.67(ラジコン技術 1981年8-9月号掲載分)の写しです。原本は スルガヤ店主 故・古川喜平氏より譲って頂いたものです。古川喜平さんの命日は8月1日、亡くなって10年目です。 
 
スルガヤ テクニカル リポート No.67
※お問合せは電話でのみお受けします! RCグライダー専門店

〝サギッタ900〝 (米エアトロニクス社)
機長・・・・・・・・・・・・・1,190㎜
翼幅・・・・・・・・・・・・・2,515㎜
翼弦・・・・・・・・・・・・・255~190㎜
翼厚比・・・・・・・・・・10.6%
縦横比・・・・・・・・・・・11:1
翼荷重・・・・・・・・・・20.25~21.5d㎡/g
水平尾翼面積・・・・6.97d㎡
水平尾翼容積・・・・約0.36
主翼面積・・・・・・・・・58d㎡
重量・・・・・・・・・・・・・1,190~1,250g
翼型・・・・・・・・・・・・・エップラー205MOD
※3サーボ―――ラダー、エレベータ、スポイラー
 
一昨年の世界選手権大会が終わって間もない頃、リー・レナード氏の設計になるサギッタという機体がスキップミラー氏の操縦で9秒台のスピード記録を出したことを知って以来全米の大会でいつも上位を獲得し、今回のF3B世界選主権のアメリカ代表3名中2名がサギッタ及びサギッタ改で参加します。
 エアトロニクス社では、新しい機体を開発すると、キットとして発売する前に数名のエキスパート達に依頼して充分なテストを行い、完全な飛行性能を確認してからキット化するのが通常ですから、同社のキットは高い信頼を得て、日本でも多くのファンを獲得したのも当然のことだと思います。
サギッタはF3B競技を主として設計された機体ですが、アメリカでは全国的な大きな大会は滞空競技を主としているために、両方に使用できるように滞空性能も重視した設計となっています。
 ダッセル等のヨーロッパ型と比べると構造的にやや旧式の感もありますが、アメリカのモデラーたちは意外と保守的な面もあり、我々日本人のように移り身が早くないので設計者のリー氏もヨーロッパ型の良い点は認めながらも、多くの特長を持っている従来のバルサ組フィルム張りの良い点を最大限に生かした設計となったのでしょう。
 サギッタはアキーラやアキーラグランデより更に性能を向上させるために胴体の断面積を最小とし、肩翼式にして主翼取付部の抵抗を減じ、更に作り易く性能の良いE205の翼型を採用しています。
 また縦横比はグランデ等より更に小さくしてありますが、低いレイノルズ数での翼型の性能低下が従来考えられていたよりも大きいものであることが最近わかってきたので、縦横比約11は最適値であると思われます。
 サギッタの非常に優れた特長として、滞空性能や距離性能(L/D)はグランデと同等以上で、速度も前述のように高いポテンシャルを持っているにもかかわらず、製作はアキーラより容易で、図面に示された前気味の重心位置に調整すればオリンピックⅡと同じくらいの易しさで飛行させることが出来ることです。
 入門者から熟練者まで、また高速から低速までの広いレンジを持った、まさにオールマイティの機体と言うことが出来ます。(つづく)
価28,100円 
新発売・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
★F3B用フィルグラン(ケプラー胴。発泡バルサ翼)
★サギッタ900
☆珍品キット・・・ミスケート。リッジローバー。
●地方発送いたします。 

地下鉄東西線:神楽坂下車・神楽坂方向へ徒歩100m。国電飯田橋下車徒歩5分。
◎毎日曜休業。
スルガヤ 新宿区神楽坂6-64 (03)260-4343  162




スルガヤ テクニカル リポート No.67-Ⅱ
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 〝サギッタ900〝 (米エアトロニクス社) 【前号より続き】
サギッタ900は、飛行性能をアキーラやアキーラグランデより更に向上させることと取り扱い易さを改善することの二つを主な目的として設計されています。
 メンテナンスの容易さは飛行性能と同等以上の重要さを持っています。例えば、キャノピーハッチは前方に少し位置をずらせば簡単にはずれ、同時にヒンジ付きの主翼中央部の後方ハッチも開きます。この開口部にすべての機能が集中していますから、スポイラーワイヤ及び主翼の着脱、バラストの増減等がワンタッチで、工具を使用しないで指先だけでできるわけです。
 飛行性能の向上については、高速飛行中の条件での抵抗の減少に特に重点が置かれています。
 例えば、アキーラやオリンピックⅡ系列の特徴であった翼端のヘルナーチップが廃止されています。これは大きな揚力係数での低速飛行中に、大きく発生する誘導効力を打ち消すためのものですが、高速飛行中には誘導抗力も少なくなり、ヘルナーチップのメリットは減少し、かえって抵抗減となるためと製作の容易さも考えて普通の翼端としたのでしょう。又翼型もフィリップスエントリー型のグランデの翼型と似ていますが、理論計算によって作られ更に高速で良い性能とされているエプラーE205を採用しています。
 さらに、最小の断面積とした細い胴体と、胴体の断面抵抗より更に大きな抵抗発生源とされている主翼と胴体の接合部は肩翼としてフィレットを使わず翼下面との接合部を鈍角とすることによって上手に逃げています。
 主翼や尾翼の後縁部も、スブルース材を使用してナイフエッジにする等の改良が加えられています。
 前述のような数々の改良は、製作の容易、簡単、軽量を大前提として考えられている事が本機の最大の特長で、ハイクオリティな名人芸を必要としないので、誰が作っても均質な機体が出来る事と、構造の簡単さは製作時間の短縮となり、軽量は滞空性能の向上と機体の破損を最小限にとどめることが出来ます。
 又F3B専用の場合、上半角を一段としてオールプランク、エルロン付きに改造しても好結果が得られるとのことです。
《キット内容》
胴体は軽量ポプラ合板とバルサ組合せ構造。主翼は二段上半角Dスパー構造でスポイラー付き。カンザシは7.9㎜径。リブ其他材料はサンダー仕上げ。水平尾翼はオールフライング式。全てのリンケージ部品付き。
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■新発売■
■フィルグラン■サギッタ900■フェントス
★輸入・国産グライダーキット★グライダー用特殊部品★グラスファイバーケプラー、カーボンマトリックス用エポキシ等新構造材料★スーパーモノコーテ他
●地方発送いたします。 

地下鉄東西線:神楽坂下車・神楽坂方向へ徒歩100m。国電飯田橋下車徒歩5分。
◎毎日曜休業。
スルガヤ 新宿区神楽坂6-64 (03)260-4343  162





サギッタ900の参考になるウエブサイトをいくつか

「RCグライダー 自然の偉大な力 サーマルに乗って ON THE SKY」より
20110812 2011年ついにその時は来た!
20120713 Sagitta900 製作を再開

「PIC工作と完全自作CNCに挑戦,RCヘリとRCグライダー再開」より
長持ちのグライダー
ブログとRCの再開

私の撮ったサギッタの写真を数枚(オリジナルでないコピーの半完キット含む)

ついでに
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