アキーラとアキーラ・グランデ

http://www.thermalrider.com/nost/kits.html

個人的なリンクのメモ(2018/02/17)

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Jeffrey Thomas Sanford氏が最近入手したスキップ・ミラー選手のアキーラ改
1977年の世界選で実際に飛んだ機体(未確認情報)


 サーマル大会で上里に行った時、私の場合リブ組機は要チェックです。なかでもリー・レナードのエアトロニクス社製アキーラ・グランデが出場していれば必ず写真を撮ります。全てのRCグライダーの中で最も好きな機体です。
 ずい分前のことですが、関宿滑空場の大会でS原さんの透明レッドのモノコーテ張りグランデを見た時には、これしかないと思いました。グラス胴は透明レッドと同じ感じの赤でした。古川喜平さんが感心して「この胴体の赤はどうやったの」と聞くと、S原さんは「色合わせした」と簡単に答えていました。私が、アキーラ・グランデてすねと聞くと、「ただのグランデじゃない」と改造部分を説明してくれました。主桁前後をべニアで補強、リブは桁のあたりでいったん切断して補強べニア分切り詰めて接着しています。
 実は私も川越のケーシーショップさんでこのキットを買い求めました。長いこと不良在庫に甘んじていたせいで外箱は色あせていました。ヒマをみては設計図を眺めパーツを吟味し幾年月か… あるキリのいい年齢の時に「おそらく私はこのキットを一生作れないだろう」と悟り、クラブの先輩に売ってしまいました。ご存じの方も多いと思いますが、かなり手の込んだ主翼構造です。簡単に言うと後縁がリブ組になっているんですね。今も色あせた箱に入って出番を待っている筈です。(ちょうどいい競技があれば工作モチベーションも上がるのにね)

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上里で見つけたアキーラ

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上里で見つけたアキーラ・グランデ Nさんの機体

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上里で見つけたアキーラ・グランデ Nさんの機体


 サギッタ900は有名ですが、戦績ではアキーラ・シリーズの勝ちかも知れません。
 少し、戦績を調べてみました。

 ☆ 1977年の第1回F3B世界選手権
 アメリカのスキップ・ミラー選手のアキーラ改が優勝

  1979年5月のF3B日本選手権
 27機中10機がアキーラおよびアキーラ・グランデ(改含む)

  1979年7月第2回F3B世界選手権は有名なダッセルが優勝
 長谷川 克さんがアキーラ・グランデで出場、16位
 この大会の全米選抜優勝はバード・オブ・タイム

  1981年第3回F3B世界選手権はアメリカのホリー選手が優勝。
 機体はダッチソン社キットから作ったカマノ(リブ組バルサプランク、フィルム張り)
 10ヵ月前の全米選抜ではホリー選手を含む上位(15人中2,3,5,6位)がサギッタ900
 この世界選でもリブ組機主体のアメリカは団体2位
 長谷川 克さんは新作フュルギュランを練習中に大破、ライハーMKⅢで30位




  以下、スルガヤ テクニカル リポートの写しです。
  (ラジコン技術 1975年10月号および1979年7月号掲載分)
  原本は スルガヤ店主 故・古川喜平氏より譲って頂いたものです。

スルガヤ テクニカル リポート No.22
(内外のグライダーキットの精密データーおよび資料を毎月掲載いたします。)

           〝アキーラ〝(米・エアトロニクス社)

  翼幅・・・・・・・・・・・・・ 2,546㎜
  機長・・・・・・・・・・・・・ 1,170㎜
  翼弦・・・・・・・・・・・・・ 230~146㎜
  翼厚比・・・・・・・・・・・ 9.6%
  縦横比・・・・・・・・・・・ 12:1
  翼荷重・・・・・・・・・・・ 21~23d㎡/g
  水平尾翼面積・・・・・ 7.3d㎡
  水平尾翼容積・・・・・ 0.44
  主翼面積・・・・・・・・・ 54d㎡
  重量・・・・・・・・・・・・・ 1,140~1,250g
  翼型・・・・・・・・・・・・・ 平底型
  3サーボ使用・・・・・ ラダー、エレベータ、スポイラー

翼幅100インチ以下のスタンダード級(我国ではA級)競技用として、非制限級の大型機に劣らぬ性能を得ようとして開発された機体です。サーマル競技の場合、特にハイスタート出発の際、高度をできるだけ獲得することが、何よりの先決問題です。曳航策が100mゴム部分が30mと協議規定で定められているので、曳航索とゴムを直角まで機体を持ち上げたとして150mの高度です。さらにゴムを20mくらい機体の浮力で引き延ばすことが出来れば、獲得高度は170mになります。(無風時を除く)しかし、ゴムの緊張力と重力はかなり大きいので、このペイロードに耐えるには、大きな主翼面積を持った方が有利です。この点に着目して縦横比を少し犠牲にして、大面積としています。翼幅に制限があるため、翼弦長が大となるので、レイノルズ数も増すため、縦横比の小さいのを多少カバーすることができるはずです。また、中型機にしてはめずらしく、スポイラーが装備されていますが、着陸の際の高度調節等に非常に役立ちます。これはまた、スロープでも同じです。本機は有名なオリンピック(リポートNo.10参照)と同設計者による性能向上型なので、それと比較することによって、数年間の設計思想および構造上の進歩が見られ、極めて興味があります。
(注)日本の規定は、縦横比13以上なので、翼端を約200㎜延長する必要があります。

●[キット内容]…べニア側板、バルサ三角材によるだ円断面胴体。主翼は上下スパー式上面プランク、二段上半角、二分割式。尾翼はフライング式。スポイラー部品、スライドフックを含む、すべてのリンケージ部品付。キット内容は最高。

 スルガヤ 新宿区神楽坂6-64 (03)260-4343  162



スルガヤ テクニカル リポート No.51
※お問合せは電話でのみお受けします! RCグライダー専門店

            アキーラグランデ(コックス エアトロニクス社)

  翼幅・・・・・・・・・・・・・ 3,090㎜
  機長・・・・・・・・・・・・・ 1,165㎜
  翼弦・・・・・・・・・・・・・ 230~145㎜
  翼厚比・・・・・・・・・・・ 10.6%
  縦横比・・・・・・・・・・・ 14.7
  翼荷重・・・・・・・・・・・ 26~30d㎡/g
  水平尾翼面積・・・・・ 10.17d㎡
  主翼面積・・・・・・・・・ 65.2d㎡
  重量・・・・・・・・・・・・・ 1,700~1,980g
  翼型・・・・・・・・・・・・・ LR53510
  スポイラー付 3サーボ使用

 一昨年のRCグライダー世界選手権大会で優勝した、スキップ・ミラー選手の改造アキーラの経験を参考にして、高名な設計者リー・レイナード氏がマルチタスク用およびオープン級競技用として以前から評判の良いアキーラを基にして、いかなるハードな飛行にも耐える強度と揚抗比(L/D)と侵入性(ペネトレーション)の向上を目的として新しく設計された機体です。
 外見的にはアキーラと似ていて、競技用として一番大切な実用性(飛行性能以外の競技に勝つためのすべての要素)に徹した設計です。
 アキーラと異なる点を列挙してみますと、まず胴体が高品質のエポキシグラス製になっています。一般のポリエステルグラスに比べ比強度にすぐれ、軽量(約200g)で強いのですが、高価になるのが欠点です。
 競技用ともなれば、互換性のある機体を2機以上整備しておきたいものですが、グラス胴は均質な同じものが得られるので、その点非常に好都合です。
 胴体内の主翼取付部上面がバラスト室になっているために、リンケージロッドやレリーズフックがバラスト室と隔離出来る巧妙な設計になっているので、フレキシブルでない木の丸棒がリンケージロッドに使用できますが温度変化による伸縮がなく、またサーボの動きをダイレクトに確実に伝えることが出来ます。時には非常な高速で飛行しなければならない競技用の機体には大切な点で、尾翼フラッターの原因の大半はリンケージにあると言っても過言ではないでしょう。
 主翼は主桁(3X10)カンザシ(8㎜径)共に強化され、D型構造でねじり強度を上げています。翼型は揚力係数の小さい迎角のときに抵抗が少なく、風圧中心移動の小さい翼型を選んであります。もしもこれの反対の場合には高速飛行中少しダウンにすると、急に頭をつっこみ、少々アップぎみにすると急に頭上げになり、スムーズな高速飛行が非常にむずかしくなります。尾翼もフラッター対策に注意が払われ、垂直尾翼はヒンジラインが変更され、水平尾翼も強化されています。
 キット内容はもちろん最高の品質です。

 スルガヤ 新宿区神楽坂6-64 (03)260-4343  162

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 ネットで見つけ即セーブした写真、掲載サイトは不詳、無断転載です、すみません。
 
この機体は、AQUILA-XL
1976年、アメリカ建国200年記念にLee Renaudが76機のみ限定生産した
 長谷川 克さんが渡米の折、レナード氏よりプレゼントされたもの

3,900mm  2,550g  103.2d㎡