バード・オブ・タイム

 東京サーマルでは、いろいろなノスタルジック・セールプレーンを見ることができます。バード・オブ・タイム(Bird of Time)も昨年出場しました。オープン・クラスのバルサキット(ARFもある)で、今でもDynafliteで製造されています。RC曳航グライダーのバルサ・キットがなくなりつつある中で貴重な存在ですが、キットから作ったものはあまり見かけません。作るのがすごくたいへんだから…
 
 写真は、大高 均さんのバード・オブ・タイムです。
 
イメージ 1
曳航されるバード・オブ・タイム (2010東京サーマル)
 
イメージ 2
着陸進入 (2010東京サーマル)
 
 
以下、スルガヤ テクニカル リポート No.58-Ⅰ (ラジコン技術 昭和55年6月掲載分)の写しです。原本は スルガヤ店主 故・古川喜平氏より譲って頂いたものです。 
 
スルガヤ テクニカル リポート No.58-Ⅰ
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バードオブタイム (アメリカ・マークスモデル)
●滞空およびF3B競技用
■機長:1,250㎜
■翼幅:3,000㎜
■翼弦:254~298~76㎜
■翼型:フィリップス・エントリー平底
■翼厚比:約9%
■縦横比:13
■翼荷重:16.8d㎡/g
主翼面積:69d㎡
水平尾翼面積:8.38d㎡
水平尾翼容積:0.37
■重量:1,162g
 
 競技実績と機体については、説明の必要ないほど有名な機体です。本多律理氏が、ラジコン技術誌79年8月号で詳述されていますが、非常に参考になると思いますので、ぜひ再読をおすすめいたします。
 本機の設計者D.ソーンバーグ氏から、ウインドフリーで有名なマーク・スミス氏が製造権を得てキットとして発売されたものです。
 現在のF3Bの機体設計の流れは、ヨーロッパ風の大翼荷重高速型と本機によって代表されるアメリカ式軽量型とに大別されます。
 このアメリカ式の発想については、本リポートNo.50のレシオネアーの項にも記してありますが、まず、軽量化によって抜群の滞空性を確保し、軽翼荷重を前提とした高速化を翼型やセッティングで工夫をこらしているのが特長です。速度競技のときの平均的翼荷重は約45ですが、本機でこれを望めば約2kgのバラストを積まなければなりません。しかし、このような大翼荷重に耐えるように機体を強化すれば、本来の軽量企図してのすべての特長は失われてしまいますので、後述のような方法が考えられたわけです。
 アメリカの模型屋たちは、翼型のカーブについてはあまり神経質ではないようですが、クラークY型に代表される平底の翼型の、前縁の半円の中心部を気流が上下に分かれるところを分岐点(エントリー・ポイント)といいますが、この位置を高くすると準対称翼型に近くなるわけです。
 つまり、カンバーが小さくなりますから、大まかに見て、揚力は小さくなっても突っ込ませたときの抵抗が増大しませんので高速に有利となり、揚力が小さいという欠点は軽い翼荷重で十分カバーされます。また、基本形が平底型ですから、工作が楽なのも大きな特長の一つです。このような方式の翼型を、アメリカでは、フィリップス・エントリーと称しているようです。
 さらに大切なのは、重心点を後方にずらして小さい迎角で釣合をとるマジック・セッティングの調整です。(つづく)
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