EGIDA (Jaro Muller) 次期主力F5J機

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 バルサ・キットの好きな人には分かって頂けると思いますけど、箱を開けて作り出す時ってワクワクしますよね。その魅力に取りつかれて一生かかっても作りきれないほどのコレクションをお持ちの方もいらっしゃると思います。自分は、たぶん一生分にちょうど良いくらいのキットを持っています。
 それで(例によってw)スルガヤさんに聞いた話ですけど、どういう訳か誰にでも作れない時があるらしい。さて、これから製作にかかろうとキットの箱を開けてパーツなどを吟味して、うんなるほどなるほどと感心するのだけど実は気が乗らず、ちょっと今日は…と、そっとフタを閉めるのだそうです。
 最近、自分もそうなのかなー的な気分でぼーっと暮らしていたのですが、オレの人生こんなもんじゃないと心機一転、いい方法を考えました。
「ブログにかこつけてグライダーを作ればいい」
ということです。ぼくは決して目立とう精神は旺盛ではないのですが、ブログを書くのは何だか好きなんですね。
 バルサ・キットを作ることを考えるとほわーんと陶酔するんだけど、
製作開始に当たっては相当の精神力と集中できる環境が必要で、更に機体を完成させるのはぼくにとっては苦行僧のような忍耐が必要なのです。だけど、ブログを書くのはパソコンに向かってカシャカシャやるだけなので楽で楽しい、でも好きな話がネタの場合だけですけど。

 ということで、まずはバルサ・キットのような難易度の高いものではなく、中古で入手したEGIDA(エギーダ)をネタにすることになりました。

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 最近、FXJ(F3J/F5J)機は軽量化してきましたね。技術進歩もあるでしょうし、高価でも高性能機が売れるようになったからかも知れません。

 これはチャンプに聞いた話ですが、FXJ機の翼型が軽量化に伴って揚力係数の低いものに変化してきているそうです。

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エギーダの翼型は、少しアンダーキャンバーがある

 軽量化は沈下率を改善するのが目的ですが、低翼面荷重になるため足の遅いグライダーになってしまいます。更にレイノルズ数は翼弦×スピードに比例するので、低速飛行が抗力係数増大を招きます。仮に、時速60キロで飛ぶオープンクラスのRCグライダーを軽量化して時速20キロで飛ぶようにすると、抗力係数は2~3割増大します(この項はぼくの無知と偏見によります)。


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 ブルーはスープラのセンターピースと右翼、翼端にかけても充分な翼弦がある
エギーダは翼弦を削ってまでハイアスペクトをねらっているが・・・

 この問題点を解決するのが揚力係数の低い翼型です。チャンプがぼくにも理解できるように言ったのが「F3Bのような翼型」、また「低翼面荷重であるから効率のいいスピードで飛ばすのが難しい」とも言っていました。これはエクスプローラー2について聞いた時のことです。エキスパートの方でもエクスプローラー2より1の方が飛ばしやすくて好きだ、と言うのを聞いたことがあります。

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中央は2MのF5J機ピメンタのセンターピース
翼弦を大きくとり低翼面荷重、更に薄翼で進入性を確保

 FacebookでヨーロッパのF3J大会の写真を見るとエクスプローラー1or2、マハ、パイク・パーフェクションが圧倒的に人気ですね。前に飛ばしていたエクスプローラー4000eは86dm*2を超える大翼面積で、ちょっと条件がいいと「本当に降りてこないな」と感じたものです。重量2.2キロ、翼面荷重は27g/dm*2、翼長4mの機体でしたが、レイノルズ数(寸法効果)を実感したものです。

 エギーダとスープラ主翼平面形を比べてみました。エギーダは3.6m、スープラは3.4mです。翼面積はそれぞれ64.2と67.2です。エギーダの方が翼面積が少ないのです。エギーダはアスペクト・レシオあるいはデザインをレイノルズ数翼面荷重より優先したように考えられます。以前読んだ本では、主翼平面形で翼端抵抗の最も少ないのは楕円翼ということでしたので、その点ではスープラは模範的です。また、大アスペクト・レシオも翼端抵抗減少に効果があるということです。エギーダの特徴は、F3B機並みに空気抵抗が少ないこと、旋回性を良くするために翼端部の軽量化を図っていること、です。参謀総長

「クシャと丸めてうっちゃっちゃった方が良い」

と言うのですが、かのヤロ・ミューラーのデザインです、とても美しく末永くお付き合いしたいと思います。では、明日から少しづつ組んでいきますよ、たぶん。

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